第380回 生誕120年 難波田龍起展

2025年9月3日(水)〜9月20日(土)
11:00-19:00
※日・月・祝日休廊



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難波田龍起19051997)は戦前戦後の前衛美術運動の中で誠実に己の道を歩み、形象の詩人に相応しい澄んだ色彩、連続したモティーフと曲線による生命感あふれる独自の画風を築かれました。
私たちが難波田先生に初めて銅版画制作を依頼したのは1977年、画家として同じ道を歩んでいたご子息二人を相次いで亡くされた2年後のことでした。
ご傷心の中にもかかわらず温かく迎え入れてくださり、私たちが持ち込んだ銅版に夢中で取り組まれ、次々に名作を生みだされました。
https://archive.tokinowasuremono.com/nv05-essay/essay_gallery/nanbata01.html

1995年にときの忘れものは南青山に開廊しましたが、第一回の展覧会は「白と黒の線刻 銅版画セレクション1」(出品作家:長谷川潔、難波田龍起、瑛九、駒井哲郎)でした。
当時現存の作家で私たちの画廊で初めて展示してくださったのが難波田先生でした。
同年刊行したときの忘れものの最初のエディションも『難波田龍起銅版画集 古代を想う』で、約20年の間に、版元として多くの版画誕生に立ち会うことができました。
今回の生誕120年記念展では、ご遺族のご協力を得て、油彩、水彩、版画を約25点出品いたします。
現在、東京オペラシティ アートギャラリーで難波田龍起先生の大規模な回顧展が開催されています(10/2まで)。合わせてご覧いただければ幸いです。

 

ギャラリートーク
9月13日(土)16時〜17時半
対談:難波田武男さん(龍起三男)×福士理さん(東京オペラシティ アートギャラリー シニア・キュレーター)
要予約(予約はこちらから)、参加費1,000
※イベント開催中、参加者以外はご入場いただけません。




難波田龍起 Tatsuoki NAMBATA
1905年北海道旭川生まれ。23年高村光太郎を知り生涯私淑する。27年早稲田大学中退。太平洋画会研究所、本郷絵画研究所に学ぶ。川島理一郎主宰の金曜会に入り、仲間と[フォルム]を結成。37年自由美術家協会の創立に参加。78年現代版画センターより銅版画集『街と人』『海辺の詩』を刊行。87年東京国立近代美術館で回顧展を開催。88年毎日芸術賞を受賞。96年文化功労者。97年永逝(享年92)。難波田先生は戦前戦後の前衛美術運動の中で誠実に己の道を歩み、形象の詩人に相応しい澄んだ色彩、連続したモティーフと曲線による生命感あふれる独自の画風を築かれました。アトリエに初めて伺ったのは二人のご子息を亡くすという非運の直後でしたが、以後亡くなるまで20年にわたり版元として多くの版画誕生に立ち会うことができました。95年ときの忘れものの最初のエディションも『銅版画集 古代を想う』でした。